2008-11-01から1ヶ月間の記事一覧

廣瀬量平は

『海鵜』や『エトピリカ』(『海鳥の詩』)を歌ったことがあった。『海鳥の詩』と『海の詩』は高校生のころに繰り返し聴いたが、合唱以外の曲はまったく接することがなかった。 邦楽のイメージがあったが、『高雅な猫のための組曲』なんて曲を書いていて、い…

『その日−August 6−』

この曲は今年何度も演奏されたようなのだが、聴く機会を逃し続けた。 三善晃作品展の二日目も逃した機会の内の一回だった。が、作品展のプログラムは2日分の曲が記載され、プログラム・ノートを読むことはできた。 この曲に関しては「極度に切り詰めた楽句…

『原初』から『縄文土偶』

『虹とリンゴ』の『原初』は「夢」という言葉から始まる。で、『ふるさと』(『縄文土偶』)で「夢の断崖」という言葉が出てくるので、この二つの「夢」をつないでみるのはそれだけなら単なる思いつきだが、「宇宙は目覚めようとしているのです」という詩句…

『水たまり』(髙田三郎『水のいのち』)

昨年聴く機会があったのだが、「わたしたちの深さ〜泥のまどい」のあたりで、怒ったような演奏をされて、「何で怒られなければならんのか」と思った。 結構不愉快な演奏が多い。「ドロドロなのはあんた方だけでしょ」と言ってしまいたくなる。 それはそれと…

『魁響の譜』

非常に字面がごついので、どれほど怪物的な音楽なのかと思っていたが、そのような曲でもない。 開館記念の作品ということで、開館以後ホールで行われるあらゆる活動に向けて、序曲のようなものを作ろうとしたのだと思う。対象が限定のないものであるために出…

『レオス』

この曲について書かれた文章などを読むと、どうやら安らぎの音楽ということらしい。そう思って聴いてそう思えないわけでもない。 話としては、レオスから永遠−死−安らぎ、がつながっているようで、三善晃自身による『レクイエム』と『変化嘆詠』のレコードの…

『木とともに 人とともに』

この曲を最初に聴いたときは、何となく印象の薄い曲だと思っていた。が、根拠があるわけではないが、むしろこの曲は印象を後に残さないように作られているのではないか、と思うようになった。 この曲の音には、常に膨大な留保がついている。単純な話にするな…

『谺つり星』

CD『三善晃の音楽』で、『谺つり星』を聴いている。 この曲は2回コンサートで聴いたのだが、というかその内1回はこのCDの演奏だが、どうもよく分からない感じだった。『チェロ協奏曲第1番』の印象や、なんだかメルヘンみたいなタイトルとか、作曲者の…