2009-10-01から1ヶ月間の記事一覧

混声3部合唱とピアノのための組曲『クレーの絵本 第1集』

フォンテックのCD『木とともに 人とともに』を購入したので。 児童合唱でもこんなの歌えるのかというような曲を作っている三善晃だが、この曲は中学生のクラス合唱なども視野にいれたものなのだろうが、特に音域の面であまり厳しくないようだ。 そのためた…

『彼岸花の幻想』(八村義夫)

季節には少し遅れたが。 八村義夫の作品の中では圧倒的に聴きやすい一曲。 ずっとヤバげな音が鳴り続けるために、終盤に現れるニ長調の部分まで何か不穏な幻のように感じる。

「未来線」「希望線」

『交聲詩曲 波』の詩に「未来線」・「希望線」という言葉が出てくる。 「何?」という感じの造語だが、『海』を前提に置くならこれも分かる。 『海』の構図を「くるめきでる水平線」の向こうにもう一つ配置するなら、元の位置からはその向こうで「ふるさとよ…

『田中瑤子の1・2・3』を聴いて驚いたこと

新実徳英が2台ピアノのステージに『夕闇の中』という曲を用意しているのだが、この4曲目『夕闇の無音』というのが、聴いていたら『マドリガルⅡ』の『挽歌』だった。どちらかの流用なのかと思って初演について見てみると、『夕闇の中』はこのコンサートの日…

『海』と『波』

『交聲詩 海』の楽譜を最近になって購入した。詩は、前書きで三善晃が「海の隠喩」といっているように、朝の水平線から夕方の水平線までが生きている間に対応するようになっている。 夕日の沈む水平線を「宇宙の目覚め」「本当の死」として、その向こうは『…

「夢の炎の炎の花」

『交聲詩曲 波』の前に『交聲詩 海』のことを少し。 「夢の炎の炎の花」の「夢」と「炎」を、『虹とリンゴ』の「夢」と「焼きリンゴ」に結びつけてみると、水平線は『原初』の宇宙の目覚め、また『シャボン玉』の「本当の死」につながる。