2009-11-01から1ヶ月間の記事一覧

『その日―August6―』の2つの演奏

『その日―August6―』の演奏が、カメラータ・トウキョウ『三善晃の音楽Ⅲ』とフォンテック『木とともに 人とともに』の2枚のCDに収録されている。 『三善晃の音楽Ⅲ』の方がしっかりした演奏なのだが、東混の声を客体的に扱うようなスタンスがこの曲にはそれ…

『虹とリンゴ』のクラスター

『虹とリンゴ』では合唱がクラスターを鳴らし、その後をピアノが音階や分散和音的な動きで受ける形が冒頭と最後の部分に現れるが、これは調性感の失われたクラスターからピアノが音階を取り出すことで分光を表現しているのだろう。

『響層Ⅰ』

Ensenble PVDのCD『響層Ⅰ』を購入。 『優しき歌・第二』(柴田南雄) 『五つの日本民謡』(三善晃) 『芭蕉の俳句によるプロジェクション』(湯浅譲二) 柴田と湯浅は東混の、三善は晋友会のCDがあったが、いずれも容易に演奏できないので、新たな音源が…

『ピアノ淡彩画帖/松谷翠』

これもカメラータ・トウキョウのCD。三善晃『オマージュ』 八村義夫『彼岸花の幻想』 松村禎三『ギリシャに寄せる二つの子守歌』 武満徹『ピアノ・ディスタンス』 吉松隆『プレイアデス舞曲集』より フローラル・ダンス アップル・シード・ダンス 水によせ…

『デ・ラ・マーサ:プラテーロと私/兼古隆雄』

三善晃のファンなので、現在だとフォンテックや日本伝統文化振興財団、カメラータ・トウキョウ等には大変お世話になっている。カメラータ・トウキョウについてはそれとは別に好きなレーベルで、多分そうなったのはこのCDのため。 そもそもは図書館で見かけ…

『交聲詩曲 波』からの連想

『交聲詩曲 波』を聴いて連想したのが、「ずいずいずっころばし」、黒人霊歌、新実徳英と高嶋みどり、『大地讃頌』だった。 「ずいずいずっころばし」は童声合唱の旋律から。黒人霊歌はその童声合唱の先行と合いの手的に入る混声合唱のリズム感のためで、新…

『五つの願い』

過去の曲と前に書いた『五つの願い』だが、『春だから』と『空に小鳥がいなくなった日』は思いがけない音が鳴って楽しい。 一方で、やっぱりこの詩は古くさいかな、という印象は変わらない。「電話」と「忘れた歌」というつなぎ方はもう無意味だし、「みんな…