2021-09-01から1ヶ月間の記事一覧

『三味線草』(森田花央里)

森田花央里の名前を知ったのはハルモニア・アンサンブルのCD『地球へのバラード』からで、収録されている委嘱作品4曲の内の1曲が『三味線草・壱』だった。そもそも購入時に聴きたかったのが『地球へのバラード』だったので、この時は曲よりもブックレットの…

『夏』メモ

tooth-o.hatenablog.com 引き続き『夏』について。 ピアノの前奏から。歌曲、あるいは童謡のような雰囲気と、どことなく疲れたような感覚がある。4分の4拍子、中庸のテンポ、八分音符を基調としたリズム、調性の安定感が要因として考えられる。 「ルララ」の…

『原初』メモ(2)

tooth-o.hatenablog.com の続き。 場面が切り替わって「空の夢ですか」から。それまでは臨時記号が♭も♯も多数現れるものの調号はなかったところから、♯6個の嬰へ長調に変わる。 この部分はほぼ無伴奏となる。途中で入るピアノは冒頭の変形だが、全て3連符に…

『原初』メモ(1)

何度も触れている、『虹とリンゴ』の第1曲について、気づくことや思うことなど。 2曲目『夏』で「宇宙のあちら」とあるように、「あちら」と「こちら」という関係が宗左近の詩には何度も現れ、また三善晃も『詩篇』以来常に触れてきた。冒頭「ゆめ」がメゾソ…