2017-10-01から1ヶ月間の記事一覧

『ふるさとの星』

Ensemble PVDのCD『三善晃 宇宙への手紙』はありがたいCDで、おかげで『子どもの季節』も聴きやすくなった。『四季に』や『五つの日本民謡』のような難曲もハイレベルな演奏で嬉しい。『宇宙への手紙』も、案外と聴く機会がなく、昨年の『夜と谺』で聞こえた…

『小さな目』と『子どもの季節』

何でも三善晃の創作史に結び付けるのも悪い趣味とは思いつつ。 『小さな目』が1963年、『子どもの季節』が1965年と、子供の詩による曲が比較的早い時期に作られて、ざっと見たところではその後にはこうした曲は無い。また、この2曲についてもスタンスの違い…

『シャボン玉』の最後の部分について

tooth-o.hatenablog.com ふと思いついたのだけれども、この部分。ピアノは左手の五連符の動きに対して、右手は五連符の2番目の所で弾くようになっている。表現としてはシャボン玉の動きの軽さや柔らかさのために拍を外してるということだろう。 で、『原初』…

『プロターズ』

『三つの海の歌』のことを書いている間に思い出したのが、CD『「黒の星座」三善晃:ギターのための作品』のプロデューサー・ノート、プロデューサー・ノートで『五つの詩』について書かれた「死の淵に誘う」とか「三善晃らしい一番恐ろしい、深淵の音楽」と…

『三つの海の歌』

随分と前のことになるが、『三つの海の歌』と『四季に』の楽譜を、何かの折に見かけて購入した。この2曲が1冊になっている理由というのはページ数くらいしか思いつかないが。難曲中の難曲『四季に』の録音が複数出ているのに譜面上は普通そうな『三つの海の…

『虹とリンゴ』について

ここの一応の目当ては、2004年に初演された三善晃の『女声合唱とピアノのための 虹とリンゴ』について何か書くことなのだった。 一通り聴けば大体思い起こせるようになるくらい明快なのに、どう受け止めて良いか分からないような、例えば理想的な演奏という…

ふと、『方舟』のこと

木下牧子の『方舟』について。1曲目『水底吹笛』で「みなぞこにすわれば」、2曲目『木馬』で「木馬は空を渡っていった」「木馬のような私の心」、4曲目『方舟』では「さかさまになって空を歩こう」のように、そもそも私の心は地上にない、ということ。 で、…

『街路灯』について、メモ

八分音符と三連符のリズムとその意味合い、2拍子系と3拍子系の拍子の扱い。(『街路灯』の四連符は直接には「あわない」の表現だけど、それだけかどうか) 調号は、『マルメロ』、『雲』、『オルゴール』は何もついていない。『おんな』ではシャープ4個から…

『街路灯』のこと

tooth-o.hatenablog.com 『街路灯』自体についてこのような見方をするのはそれほど妥当ではないかも、と短い間に考えが変わった。まったく違う、と思う訳でもないけれど。 色彩に満ちた時期としての幼年と、後にそれを思い返すこと、という詩の図式と、この…