2010-03-01から1ヶ月間の記事一覧

「理想の演奏」

池辺晋一郎が『ブラームスの音符たち』の中で、どんな演奏を聴いても満足できず、自分の中で思い浮かべる演奏が最高に思える場合がある、ということを書いていた。(たしかヴァイオリンソナタの話だった) 自分はどうか、と思うと、『交聲詩 海』と『その日―…

楽譜の記号について

三善晃の曲は音量や表情などの指定が細かくて、演奏者は必死になって再現したりそうでもなかったりする。 時には一つの記号が周辺の表情をすっかり決定してしまうこともある。『地球へのピクニック』の「ここで一緒に坐つてしばらくの間/涼しい風に吹かれよ…

『人魚』(鈴木輝昭『梟月図』)

鈴木輝昭の曲には興味はあるけれども、好きだとはっきり言えるのは『梟月図』だけのような気がする。第1曲の『人魚』は、この曲集中でもさらに最も好んでいる。 反復する音が波を表現するが、それが八分音符と三連符で重ねられることで劇の大道具かなにかの…