2020-04-01から1ヶ月間の記事一覧

「ある肖像」(『三つの夜想』)

『三つの夜想』、特に「ある肖像」については、長年聴き続けながら、ずっと捉えづらい感覚を持ち続けてきた。が、先日 youtube で St. Cecilia Vocal Creators の演奏を聴きながらふと、歌い始めの半音の上行をどのような声で聴きたいか、と想像してみたとき…

『柳河風俗詩』と『富士山』

tooth-o.hatenablog.com の続きのようなもの。今回は「多田武彦らしさ」について、違う方向から触れてみる。 『試論』では清水脩から多田武彦への指導についての話が大きく扱われていた。そこでも扱われていたが、清水脩と多田武彦と言えば『柳河風俗詩』に…

多田武彦の作品について

nihonshijin.blog2.fc2.com を読んで思うことの2つ目として、多田武彦の曲についての印象を書いてみたい。 以前にも書いた通り、多田作品への関心は薄く、触れた作品も多くない。組曲を通して歌った曲は数曲にとどまり、単曲を抜き出して歌った数も多田武彦…

『海の日記帳』

「こどものピアノ小品集」と付された、28曲から成る作品集。三善晃自身のピアノによるCDがあるのでかなり以前に購入し、楽譜も買ってしまった。とはいえピアノを習ったことがなく、ピアノの曲もあまり聴かないし知らないので、この曲集についても何が言える…

『無伴奏女声合唱のための かなしみについて』

三善晃は女声合唱のための曲も多数作曲しているが、無伴奏となるとかなり限られる。『かなしみについて』はそうした少ない例の内の一曲。 詩は、やや不快というか、「他人様の感情や人生をお手軽にまとめるな」という腹立たしさがある、と思う。また、個人的…

Ensemble PVD 『三善晃 宇宙への手紙』

しばらく前の録音になるが、以前にも少し触れたことがあるEnsemble PVD の『三善晃 宇宙への手紙』について。ライブ録音とのことで、曲目は 『子どもの季節』 『四季に』 『五つの日本民謡』 『宇宙への手紙』 (アンコール)『地球へのバラード』より「鳥」…