2009-02-01から1ヶ月間の記事一覧

何の関係があるかといえば関係なんかないが

三善が弦楽四重奏曲第一番の解説で ソナタに精神なんかありはしない。あるのは形式だけだ。そして形式は精神の形をしている。精神はそれを、アプリオリに承認している。芸術の形式と、それを完成した人間たちのあいだには、そのような自明な関係があった。 …

わらべうたを歌う子供たちをオーケストラが攻撃する、というのは違うのではないか

『響紋』のことだが、こんなことを言ってみても空しい。というのは、たしか作曲者もこんな風に言っていたはず。 でも、違うんじゃないか、三善も「そう思うならそれでもいい」というだけのつもりだったんじゃないか、と思う。 しばらく『響紋』について思っ…

『彩夢』と『五つの詩』から『田園に死す』

『彩夢』には、死に向かって飛び込みかねない強烈な衝動のようなものを感じる。で、『五つの詩』は、その衝動のまま死んでしまうものだと思っていたら生き延びてしまった、というところから書かれているように思う。 これが、「かくれんぼの鬼とかれざるまま…

『無限曠野』(柴田南雄)

『大白道』はこの曲の第6曲。 柴田の曲をそれほど聴いている訳ではないけれど、「重い」という感じを受ける曲はあまり無かったと思う。 この曲ばかりはものすごく重い。正直聴くのが怖い。

また『谺つり星』

『三善晃の音楽』のCDで8分40秒から8分55秒あたりの印象が非常に強い。 ここを聴いて感じるのはブラス的な快楽なんだけれども、この吹っ切れたような感覚は何だろうといつも思う。三善の曲でこういう感じというのは他にはないような気がする。