2021-10-01から1ヶ月間の記事一覧

『シャボン玉』メモ

tooth-o.hatenablog.com tooth-o.hatenablog.com 『虹とリンゴ』第3曲。 以前にも触れたが、曲集のタイトルにある「虹」の言葉は『原初』の「影の虹」にしか出てきていない。シャボン玉の虹色が連想されていると見るべきだろう。 詩は、宗左近には見えない「…

『詩篇』について

『混声合唱と管弦楽のための 詩篇』の楽章構成について、ナクソス『NHK「現代の音楽」アーカイブシリーズ「三善晃」』では次のように表記している。 Ⅰ.はじめのはじめに・雲 Ⅱ.はじめのないはじめ・天体 Ⅲ.はじめのあるはじめ・夕映え Ⅳ.おわりおないは…

『混声合唱とピアノのための 4つの小品』

何度か取り上げているハルモニア・アンサンブルのCD『地球へのバラード』には、委嘱初演の作品が4曲収録されている。この4曲の楽譜は表題のタイトルで1冊にまとまって出版された。内容は 『三味線草・壱』(作詩 竹久夢二/作曲 森田花央里) 『胡蝶』(作詩…

三枝木宏行「《レクィエム》から《詩篇》へ」

つい最近のことだが『NEW COMPOSER』の Vol.15 が出ており(電子書籍のみ)、上記タイトルの記事を読むために購入した。前回の tooth-o.hatenablog.comの続きと見られるこの記事は、『プロターズ』を起点とした70年代後半の創作の流れ、宗左近の詩集『縄文』…

三枝木宏行「三善晃《レクィエム》テクスト再読」

表題の記事を読むために、日本現代音楽協会『NEW COMPOSER Vol.13』というのを購入した。作曲家、演奏家、評論家等による、専門家にとって面白い会誌のようなものだと思うが、ただの物好きでしかない自分にはおよその気分くらいしか分からない。 ともあれ目…

室内合唱団Vox Gaudiosa 第24回定期演奏会

2021年10月23日 第一生命ホール ミクローシュ・コチャール追悼ステージ~ハンガリーの作品を集めて~ 『秋の風景』(Veljo Tormis) 『2つの秋田民謡』(松下耕) 『地球へのバラード』(三善晃) コンサートどころか都内に入ること自体いつ以来か、と思い…

『ノエシス』の解説文について

1997年に三善晃の『ノエシス』、武満徹『トゥイル・バイ・トワイライト』、吉松隆『朱鷺によせる哀歌』、松村禎三『ピアノ協奏曲第2番』というCDが出ており、当時の興味としては三善晃の管弦楽曲に松村禎三のピアノ協奏曲、ということで購入した。このブック…

『混声合唱と2台のピアノのための 交聲詩 海』(2)

tooth-o.hatenablog.com 詩の大枠は、人が世界に向き合い生きることの原型と、太陽が昇り沈む海の姿の照応、ということになるのだが、ここまでの読み方は実際には三善晃の楽曲からの反映を含んでいる。というのは、1・2と3・4と5・6の組がこれほどまで同じ形…

『混声合唱と2台のピアノのための 交聲詩 海』(1)

『交聲詩 海』を演奏することは以前は大変なことだったと思うのだが、youtube を見ていても思いの外盛んに演奏されている。自分ではそれほど好きな訳でもないのだが、それでいてこの曲を軽んじるような発言を見かけると腹立たしかったりもする。ともあれ、こ…