東京六大学混声合唱連盟のコンサート

久しぶりに生で田中信昭を見た。
ステージを埋め尽くすような人数がどの個別ステージよりもクリアな音を鳴らしてしまう、驚異の合同演奏。

選曲の面ではかなり低調な印象。編曲物3ステージは辛い。最初から期待は合同のみという感じ。

青山学院は一時は落ち込みがひどくてこのまま立ち消えかと思ったこともあったが、復調傾向かも。編曲はありきたりだがそれなりにしっかり演奏していたと思う。

法政は例年、久邇之宣のピアノにリードされて合唱団が歌い、学指揮は踊ってるだけ、という感じだが今年はそこまでではなかった。大中恩には興味がないのだが、悪くなかった。

慶應の『見渡せば』、明治時代にアメリカやヨーロッパの歌に日本語の歌詞を当てはめた唱歌の編曲集、ということなのだが、こういう曲を歌わせたいというのは何なのか。教育に付き合わされるのはつまらない。演奏は集中力があってよかったが。

早稲田が演奏したのは『いつも何度でも』『となりのトトロ』『だんご3兄弟』の三曲で、タイトルを見た瞬間げんなりした。実際の演奏は見事なもので、アレンジも安易なところがなく、指揮の八尋和美も編曲・ピアノの若林千春もすごかったのだが、だからといって原曲よりも聴きたくなるということではないので、やはり空しい。

東大の『邪宗門秘曲』、学指揮だけでやってる団だからか演奏のメリハリの付け方が身も蓋もない。ちなみに、CD『三善晃の音楽』で『レクイエム』を演奏した団体。もちろん人は入れ替わっている。

明治。聴いていた席に直接届くフォルテを出せたのはここだけだった。たまにとてつもないソリストを生み出すこともあり、どう評価するかいつも困惑する。

正直、どんずまりのような感じのあるトウキョウ・カンタートよりも余程面白かった。