『オデコのこいつ』

今この曲を演奏する意味って何だろうね、という気はした。今の人間が70年前後の文脈でものを考える必要って? 「反戦」だから何でもいい、になっていないか?
というわけで、意識してただ美しさだけを聴こう、と思った。実際、美しい演奏だったと思う。そして、結局それだけというわけにもいかなかった。後に残る荒涼とした感覚は曲の目論見でもあるだろう。
1曲ごとに、余韻もなにもなく次の曲の音をとるのがほほえましかった。聴く側がこの曲にどう思い入れようとも、あの子たちには今のあの子たちの文脈がある、というようなことを思った。