『海』と『波』

『交聲詩 海』の楽譜を最近になって購入した。詩は、前書きで三善晃が「海の隠喩」といっているように、朝の水平線から夕方の水平線までが生きている間に対応するようになっている。
夕日の沈む水平線を「宇宙の目覚め」「本当の死」として、その向こうは『シャボン玉』の問いかける先、そこに「地球は浮いていますか」と問いかけても答えのないところだった。
『交聲詩曲 波』はだから、驚くような詩と曲だった。「水平線のむこう」への確信に近いものが歌われている。それがあり得たのはつまり、波が水平線を越えるからだ。