メモとして。
全体は次の表題のついた11の部分から成っている。
- 〈PROLOGUE〉
- 〈ぼくはうまれた〉
- 〈このほしに〉
- 〈もういいかい〉
- 〈それから〉
- 〈ぼくはあゆんだ〉
- 〈どこからきて〉
- 〈そしてそれらがすぎさった〉
- 〈ふたたびよるへと〉 PROLOGUEによるEPILOGUE(語り)
- 〈そのめのなかに〉
- 〈ぼくはしんだ〉
〈PROLOGUE〉から〈それから〉、また〈ふたたびよるへと〉から〈ぼくはしんだ〉がそれぞれattacca で続けて演奏される。また、〈ふたたびよるへと〉は〈PROLOGUE〉に語りが加わった形、〈ぼくはうまれた〉と〈そのめのなかに〉もほぼ同型となっている。〈このほしに〉と〈ぼくはしんだ〉を三群合同の編成やピアノの類似性などから対応付ける見方もあるかも知れず、その場合最初の3つの部分と終わりの3つの部分が順に対応しているとも考えられる。
〈PROLOGUE〉
歌詞がなく、B.O.と指示されている。Ⅰ群から歌い出し、Ⅰ群~Ⅰ+Ⅱ男声~Ⅱ群女声と入っていくが、その後の声部の組み合わせは各群をまたいで多様で、12声部のようにも見える。
〈ぼくはうまれた〉
前半はソプラノ、テノール、バスが〈PROLOGUE〉の最後の和音を維持する中、各群のアルトと木魚が交代しながら、三つの音から成る語るような歌を繋いでいく。
後半は、男声の和音の上でソプラノとアルトが歌い交わし、さらに男声が加わったホモフォニーになる。
〈このほしに〉
三群合同の四部合唱(divisi はあり)に、ここからピアノが加わる。
〈もういいかい〉
ピアノは休み。三群に別れ、各群のアルトによる旋律の歌い継ぎと各群テノールの「もういいかい」「まだだよ」の呼び交わしから、「もういいかい」が拡大し、「まだだよ」により収束していく。
〈それから〉
ピアノが速いテンポの変拍子を導入し、女声による三群合唱。途中Ⅰ群による「もういいかい」が挿入され、次いで男声による三群合唱に移り、再度女声から、三群男女合同の四部合唱となる。
〈ぼくはあゆんだ〉
ピアノ休み。Ⅰ+Ⅱ群とⅢ群による二重合唱のような形。Ⅰ・Ⅱ群の歌詞の方がナレーション的のようではある。最後にⅠ・Ⅱ群が「もういいかい」「まだだよ」歌って終わる。
〈どこからきて〉
三群合同の男声の上で女性による三群合唱。
〈そしてそれらがすぎさった〉
三群・男女別の六分割から始まり、Ⅱ・Ⅲ群の合流・再分割などが入る。最後に「もういいかい」「まだだよ」がある。
〈ふたたびよるへと〉 PROLOGUEによるEPILOGUE(語り)
合唱は〈PROLOGUE〉と同じ。男声ソロによる語りが入る。
〈そのめのなかに〉
〈ぼくはうまれた〉と同様、〈ふたたびよるへと〉の最後の和音の持続の中でアルト・木魚の交代による前半。後半もソプラノ・アルトが類似の入り方をするが、そこから音楽が高潮してfffへ、さらに激しいピアノを伴うクライマックス。最後はソプラノとアルトのsoli とバスのsub.pp.
〈ぼくはしんだ〉
三群合同の四部合唱。無伴奏に〈PROLOGUE〉の音型の再現から始まり、「もういいかい」を伴いながらの「ぼくは/しんだ」。最後にピアノが入り、合唱が「もういいよ」を歌って終わる。