『ELEGIA』(木下牧子)

以前あるコンサートで2曲目の『春のガラス』を聴いたことがあり、軽く、少し憂鬱な曲という印象を持っていた。嗜好としてはまあまあ好ましい、というところだった。
CD『邪宗門秘曲』で全曲を聴くことができた。いくらか意外だったのだが、その憂鬱な感覚が最後まで解消されない。どこか座りの悪いまま終わってしまうこの曲集に、何か底意地の悪さのようなものを感じた。この印象が自分の木下曲の聴き方に影響している。