2017-01-01から1年間の記事一覧
tooth-o.hatenablog.com ふと思いついたのだけれども、この部分。ピアノは左手の五連符の動きに対して、右手は五連符の2番目の所で弾くようになっている。表現としてはシャボン玉の動きの軽さや柔らかさのために拍を外してるということだろう。 で、『原初』…
『三つの海の歌』のことを書いている間に思い出したのが、CD『「黒の星座」三善晃:ギターのための作品』のプロデューサー・ノート、プロデューサー・ノートで『五つの詩』について書かれた「死の淵に誘う」とか「三善晃らしい一番恐ろしい、深淵の音楽」と…
随分と前のことになるが、『三つの海の歌』と『四季に』の楽譜を、何かの折に見かけて購入した。この2曲が1冊になっている理由というのはページ数くらいしか思いつかないが。難曲中の難曲『四季に』の録音が複数出ているのに譜面上は普通そうな『三つの海の…
ここの一応の目当ては、2004年に初演された三善晃の『女声合唱とピアノのための 虹とリンゴ』について何か書くことなのだった。 一通り聴けば大体思い起こせるようになるくらい明快なのに、どう受け止めて良いか分からないような、例えば理想的な演奏という…
木下牧子の『方舟』について。1曲目『水底吹笛』で「みなぞこにすわれば」、2曲目『木馬』で「木馬は空を渡っていった」「木馬のような私の心」、4曲目『方舟』では「さかさまになって空を歩こう」のように、そもそも私の心は地上にない、ということ。 で、…
八分音符と三連符のリズムとその意味合い、2拍子系と3拍子系の拍子の扱い。(『街路灯』の四連符は直接には「あわない」の表現だけど、それだけかどうか) 調号は、『マルメロ』、『雲』、『オルゴール』は何もついていない。『おんな』ではシャープ4個から…
tooth-o.hatenablog.com 『街路灯』自体についてこのような見方をするのはそれほど妥当ではないかも、と短い間に考えが変わった。まったく違う、と思う訳でもないけれど。 色彩に満ちた時期としての幼年と、後にそれを思い返すこと、という詩の図式と、この…
曲集、の方。有名な曲ではあるが、録音がやや少ない印象で、もう一段評価が高くて良さそうな気もする。 「組曲」というのとどのように違うのか、ということをとりあえず思う。三善晃は「~のための」とすることが多く「組曲」も案外と少ない。『詩の歌』が「…
ちょうどこのところ気になっている『街路灯』を演奏するということで聴きに行ってみた。 9月23日(土・祝) 第一生命ホール 開演午後2時 池辺晋一郎 女声合唱曲集『六つの子守歌』 木下牧子 女声合唱とピアノのための『ファンタジア』 小林秀雄 女声合唱曲集…
同名の曲集の5曲目。栗山文昭が良く演奏していた印象があるが、確かめた訳ではない。 『レクイエム』と『変化嘆詠』のレコードに寄せた「生者として」という文章で、三善晃は『レクイエム』の歌詞についてこのように書いている。 詩や、書かれた言葉を読むこ…
『王孫不帰』の詩について、楽曲とも見合わせながら考えてみる。 詩の全体は3つの部分、第一に過去から現在に至る状況を語る部分、第二に語り手の意思が表れる部分、第三に木を樵るまたは機を織る音、から成ると見ることができるだろう。冒頭から「家に居て…
トウキョウ・カンタートでチラシを見かけて、気になっていた。 第1ステージの『やわらかいいのち三章』は、CDは持っているもののあまり聴いてこなかった曲。言葉数の多さが何となく負担に感じられてきたけど、CANTUS ANIMAEの演奏は曲の表情や動きを明快に表…