などと書いていたが、強引に都合をつけて聴いてきた。
平成31年2月2日 第一生命ホール
どのステージも、実力は見せつつも手放しでは評価できない、という印象だった。個人的に全く関心を持てなかった第4ステージ以外について、思ったことを書いてみる。
『お天道様・ねこ・プラタナス・ぼく』は、考えていた以上に難しい曲なのかもしれない。半音の動きが多く、音程の不確かさが無闇にスリリングだった。雨森文也に合わない曲、ということも思った。この曲は先が読めることと、それが微妙に外されることで力を発揮するように出来ていて、むしろメトロノームで歌う位の方が訳が分かった気がする。あるいはそれなりの実力のある大学合唱団が学指揮ステージで演奏する方がいい演奏になったのではないかと思う。トークや解説には知らなかった話が幾つもあったが、60年代の作曲という時代背景については触れるべきだった気がする。
森田花央里は『三味線草』の作曲の事情について多少のことを書き残していて、それを見た感じではあまりマイクでしゃべらせるのは適切でないという気がした。演奏についてはその森田のピアノが異様にフィードバックの効いた弾きぶりで、合唱が無神経に感じられるほどだった。指揮者が全部グリップするか、ピアノに全面的に従属するかしないと質感が揃わないところ、どちらでもなかったために聴く側でスタンスが定まらないままになってしまった。
『田園に死す』は2台ピアノとはいえ今回のプログラムの中では普通の合唱曲だったはずだが、かえってそれで気の抜けた演奏だったかも知れない。思いがけない魅力もあったが、OMPの録音の印象を更新するほどではなかった。
CANTUS ANIMAEは団の演奏のスタイルが意外と強くある団体なのだろう。今回の曲目はその適合具合が露わになるというところで面白さがあった。