何ごともなくゴールデンウィークが終わってしまった! というのが嫌なときにはトウキョウ・カンタートを覗いてみる気分になる。トウキョウ・カンタートでは以前の三善晃特集のように時々気になる曲目の多いコンサートがあり、そのような年は少し気張って聴きに行くのだが、企画が常にどこか微妙、という印象がある。今年など「紅白って平成も終わるのにいつまで昭和だよ」と思うのだが、これが結構人気らしくますますがっかり感が強い。
このあたりどうも閉塞感があり、近い時期のラ・フォル・ジュルネに行く方が良いか、と思うこともあった。著名な合唱団と指揮者でバッハの受難曲なども演奏されることがあり、お祭り感も含めて開かれた感じがする。それで何度か聴きに行ってもみたが、こちらはこちらでどうかという気がしてきた。1公演はチケット代が半分時間も半分、くらいだと、2公演で通常の1公演分。それを音楽を聴くためでない会場で、となると何かごまかされているような気がしてくる。また、数年前に当日券でダニエル・ロイスの指揮でバッハのモテットを聴いたが、今はそのくらいのチケットが当日では買えそうにない。また、CD売り場を覗いたがやや縮小されたように感じた。総じて、チケットは少し手に入りづらく、出演者は少しメジャーでない方に、という様子で、長期的には厳しいのかも知れない。
そうしてみると、安定して最高の演奏家を呼んでいるトウキョウ・カンタートの招聘講師、という見方もありではないかと思えてくる。それで、昨年と今年はクロージングコンサートを聴いてみた。プログラムについて各指揮者にそれぞれ企みがある点は面白く感じた。演奏は悪くはないのだが、短期間のことなのでやや散漫な演奏が多かったかも知れないが、プーランクの劇的な表現が全体を引き締めていたと思う。