『響紋』の歌詞

たまに誤解している人を見かけるけれど、『響紋』の歌詞は宗左近ではなくて三善晃が書いたもの。宗左近は1820年ごろの童謡集からかごめかごめの歌詞を見つけて三善に送り、三善はそれを元に『響紋』の歌詞を作った。(三善は《鏡に写る声》(これはCD『民音現代作曲音楽祭’89』の解説で読んだ)という文章で、「私が原詞から敷衍した歌詞」と書いている)

子供の遊び歌がどんな風に変化してきたか想像してみる。子供たちの間では、歌はちょっとふざけてみるとか、遊びの便宜、飽きたからひねってみる、単に間違えた、といったことで、てんで勝手に変えられていっただろう。それらはほとんどその場限りで忘れられただろう。
現在に伝えられたかごめかごめの背後に三善はそのような歌を見て、さらにそのようなものの一つとして『響紋』の歌詞を作ったのだと思う。