『縄文連禱』

もうだいぶ前になるが、東京混声合唱団が三善晃の曲によるコンサートを行って、その中で『縄文連禱』を演奏していた。そのコンサートは聴きには行けなかったが、最近になってたまたまその一部を耳にする機会があった。で、よく分かる演奏という感じがあり、では、というので栗友会の演奏を聴き直してみている。

『縄文連禱』は詩の言葉数が多く、宗左近の詩でも『虹とリンゴ』や『梟月図』に採られたものとはかなり違い、なかなか捉えがたい印象がある。曲もまた複雑で、全体像が見通しづらい。

栗友会の演奏は三善晃の60歳を記念する演奏会のライブ録音で、もう20年以上前のものになる。おそらく当時としてこれ以上は考えられないほどの演奏だったとは思うのだが、見通しの悪さはこの演奏自体のものでもあるのかもしれない。