『五つの詩曲』のこと

全曲は聴いたことがない。樹の会のCDには1、4、5曲目が入っていて、聴けているのはこれだけだ。

 

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 を書く前に、女声合唱で何かないかと思ったときにふと「人の知ってる草の名は」の語呂が思い出されてああそうだと思ったのだった。さすがに無責任と思い、先のCDを聴き返し、楽譜も購入した。

こんなわけで2曲目3曲目は軽く音をなぞってみただけなのだが、全体的に合唱は簡明な音で出来ていて(ピアノは忙しそうだが)、旋律にも親密な感じを受ける。詩はさびしげなもので、その反映なのか音量としては最後の『蜂と神さま』の後半で f から piu f になるのが最大で、全体的に大きな音を出さない曲になっている。

三善晃の曲の中では音もそれほど複雑でなく、時間も短く(初演時で11分程度)、つい軽く扱ってしまいそうになるのだが、最後に奇跡のような音が用意されていたりして、親しむ内に多くのものが見えてきそうなあたり、『詩の歌』に近いかも知れない。