「裏側まで」

また『虹とリンゴ』より『夏』。
なぜ宗左近は地球とか宇宙とか世界とかほいほい言ってしまえたのか、あるいはなぜ地球は「裏側まで」丸焼けなのか。
と、この曲を聴いてから少し考えてみた。
これは、三善がバス歌曲『祈り』でとりあげた「炎える母」の詩句、「おのれ自身をしか焼かない炎の塔」の裏返しだろう。つまり、「おのれ自身をしか焼かない炎の塔」から外を見れば、自分を残して世界がすべて燃えているのが見えるだろう。
この、「世界はすべて燃えてしまった」という認識から宗左近の詩がいくらか読めていくように思う。