「理想の演奏」

池辺晋一郎が『ブラームスの音符たち』の中で、どんな演奏を聴いても満足できず、自分の中で思い浮かべる演奏が最高に思える場合がある、ということを書いていた。(たしかヴァイオリンソナタの話だった)
自分はどうか、と思うと、『交聲詩 海』と『その日―August6―』について、こうであってほしいというような演奏のイメージがある。
『海』はどの演奏でも「制御されている」感じがして、それが「交聲詩」という語感とは違うと思っている。楽譜にあるように声が「出てしまう」というような演奏があり得ないか、と思う。