『見えない縁のうた』

『遊星ひとつ』は奇妙な構成の曲というか、『INITIAL CALL』の位置づけが微妙で、『だれの?』とつながっているのか別の曲なのか曖昧だったりするので全体で3.5曲、くらいの印象になっている。さらに『INITIAL CALL』が各曲の途中に音型としても歌詞としても登場する(『見えない縁のうた』には明示されていないけれども、「ルルル……」の部分はINITIAL CALLの反映だろう)ので、各曲もはっきりと独立しているわけでもない。

その一方で、それぞれの曲はまるで似た感じがない。あるいはつながりがあからさまな分各曲を全く違うように作ることができたのかもしれない。その結果として、『遊星ひとつ』は特定の人の詩や短編小説などを取りまとめた本に似た印象が少しある。

『見えない縁のうた』は、小説の後にエッセイが始まるような感じがある。激しく高まる2曲の間にあって、身近な感触の中からそれぞれの曲との距離感を示す曲になっているように思う。