ここしばらく『21世紀の合唱名曲選』のCDで、尾形敏幸の『もし鳥だったなら』を聴いていた。数年前にこのCDを入手して、この曲を初めて聴いたのだったが、その時すでに「懐かしい」という感覚だった。あまりいい意味ではなくて、尾形の曲らしさというのがすでに古くなっている、と感じていた。
「古い」という感覚も奇妙なもので、たとえば10年以上前に作曲されている『五つのギリシャ的叙情詩』に、自分は今も古さを感じない。初めて聴いた時の印象がいつまでも影響するようだ。