「19458689」

『夏の散乱』の冒頭の音。
ドレファソドラドレ、と、低い音なので唸ってみる。
難しい音の並びではないが、どこか明るく、またぽっかりとした空漠感がある。
やっぱりあれこれ読み過ぎだな、と思うのだが、この印象が『その日−August 6−』の前書きの、「現実を離れたホラーの世界」という言葉と気分的につながる。

『響紋』の怖さというのは怪談の怖さ、幽霊の怖さだと思う。『夏の散乱』には、それとは別の怖さがある。