80歳。近い世代の中では、長く生きられたのではないか。

聴く時に、なぜだか正統性、普遍性のようなことを求めてしまう所があった。が、やはり奇妙なところは奇妙と感じていいのだろう。響紋の「急速な弔鐘」は、意味とは別に奇怪さがある。あるいは楽譜の歌詞に「ゆゆゆ」「るとるとるると」と記されたのを見たときの感覚。縄文土偶の「めまい」の感触や、かと思えば魁響の譜の「ででんででんでん」とかいうまさかの終わり方。
愛着を持って聴いてきたためにかえって流していたことを、不思議な音として聴きなおしていく。