『虹とリンゴ』のことを書かねば

藤井宏樹と松下耕のコンサートで初めて聴いた。会場でCDも買って、その後楽譜ともう一枚のCDも買った。(どちらのCDよりも当日の演奏の方が良かった)
こうして見ると超熱狂的という感じだけど、そういうことでもない。

構成は明快、詩句と音の対応も分かりやすいし、詩も、三善が作曲した他の宗左近の詩より読みやすいと思う。音やリズムはそれなりに難しそうだけれども、これより音を取り難い曲はいくらでもあるだろう。
けれどもこの曲は、どうにも難しい。いったい歌い手はなんと思って歌い、聞く側はどう聴けばいいのか。意味が明白すぎて、そこに演奏が関われない。演奏することの意味は別のところに求めるしかない。

この曲のことは三善の21世紀の代表作と信じるし、頓珍漢ながらこの曲を生み出したことについて松下耕とアンジェリカに感謝するのだけれども。