『原初』から『縄文土偶』

『虹とリンゴ』の『原初』は「夢」という言葉から始まる。で、『ふるさと』(『縄文土偶』)で「夢の断崖」という言葉が出てくるので、この二つの「夢」をつないでみるのはそれだけなら単なる思いつきだが、「宇宙は目覚めようとしているのです」という詩句が「断崖」に対応しそうに思えたので、この線で考えてみたくなった。ので、少しだけ。
『原初』の方から入る。宇宙が目覚めればそれまでの世界は夢となるので、この両者をともに本当の世界と見なすことはできない。ではどちらを本当の世界とするのか。夢の世界とともに燃えてしまうか、そのような世界など無かったことにして後の世界に生きるか。この二つの立場が一方の世界を背負ってもう一方を滅ぼすものなので「二人の王」であり、そのどちらにも立てず夢の側を本当の世界としながら後の世界に生き残ってしまったので「ついに王となることのない王子」である、ということでもよささそうな気がする。