正直なところ一部の本当に熱心な団体だけが手書き譜のコピーで伝えていくだけだと思っていたのだが、『縄文土偶』の楽譜が出版された。三善晃が亡くなってから5年経ち、若い作曲家の新曲も生まれる中のことで、情熱的な男声合唱団の活動の成果だろう。
楽譜をざっと眺めて、まずはテンポの変化の多さとリズムの複雑さに驚く。『王子』は合唱とピアノが交互に演奏していくが、その度にテンポが変わる。『ふるさと』の前半もまた、言葉とともにということはあるがテンポの変化が激しく、さらに拍子も記載がないまま次々と変わっていく。
やはり音を聴くだけでは分からないことは色々とある。なかなか分かりづらい曲でもあり、よく見直してみたい。