柏葉会合唱団の演奏会を聴きに行ったのだった。
- Three Themes of Life and Love (Daniel Elder)
- 無伴奏混声合唱のために 廃墟から (信長貴富)
- 混声合唱とピアノのための やがて悲しみが (市原俊明)
- 混声合唱組曲 幼年連祷 (新実徳英)
印象としては前半優位というか、悪くない演奏であったにしろ第3・第4ステージは聴きどころがぼやけた印象があった。第1ステージは知らない曲だったが思いがけず魅力的。
で、第2ステージが素晴らしい演奏だった。ほんの少しだが信長貴富を見直した。
CANTUS ANIMAE 第21回演奏会 - tooth-o’s diary
以前にCANTUS ANIMAEの演奏を聴いたことがあったが、その時は特に印象もなかった。何度も書いているが、信長貴富に対して関心が薄かったこともあるし、演奏がそれを覆すことがなかったとも言える。今回は、非常に強烈な印象を受けた。
一つには、この団体の演奏解釈について音響的な効果に傾斜する傾向がある。最初から3番目の音の空虚5度から、響きへの驚きの感覚がある。その先の、頭を揺さぶられるような音が作曲と演奏の両面においてどのように達成されているのか。
もう一つが声に表れる音楽への真摯さだろう。youtubeなどで聴いてもも『絶え間なく流れてゆく』笑い声の場面はどこか白々しさが漂うものであるが、そうした様子が全くない。2曲目『ガ島前線』の最後の君が代(この辺りの解説は世間的にやや足りていない気がする)の効果も柏葉会の演奏ゆえの力があったと思う。曲と演奏の両面で衝撃的であった。