『三つの夜想』の気になるところ

『三つの夜想』は長く聴いていてもまだ複雑で、見通しがあまり良くない印象がある。それで近頃は改めて聴き返したり、楽譜を見直してみたりしている。

  • 「何も知らない(心にも)」(『淡いものに』)と「あけぼのの(雲をみても)」(『ある肖像』)
  • 「どうして(おまえは憎んだのか)」(『ある肖像』)と「死の姿を」(『或る死に』)

など、結びつきがはっきりと聴ける部分もある。

後者の、「どうして」が半音・全音で下降し、「姿を」の方は全音・半音となっているのがふと気になった。それぞれの始めの音と終わりの音の音程は短三度になる。

短三度と言えば、『淡いものに』の歌が「みて」の短三度で始まる。また『ある肖像』の半音進行もある。3回半音で上行するので、この始めと終わりも短三度になる。この半音進行を半音・全音全音・半音の間と考えることができるかも知れない。

思い付きでしかなく、楽譜をもっとよく見る必要があるが、短三度の音程の内側をどう見るかという問題のような気がしてくる。