CANTUS ANIMAE 第21回演奏会

トウキョウ・カンタートでチラシを見かけて、気になっていた。
第1ステージの『やわらかいいのち三章』は、CDは持っているもののあまり聴いてこなかった曲。言葉数の多さが何となく負担に感じられてきたけど、CANTUS ANIMAEの演奏は曲の表情や動きを明快に表現していて、訳が分かってきた。
当日の目当てだった第2ステージ『地球へのバラード』。この曲に限らず案外ラフな演奏をする団体なんだけど、『私が歌う理由』の最後の和音は美しく鳴る。というか『私が歌う理由』の最後の音はどんな演奏でもここだけ決まるという印象がある。次の『沈黙の名』があまりにも名曲なんで参る。演奏も良い。最後の『地球へのピクニック』は安易に手綱を放してしまった感がある。絶対に吹っ飛ばされる曲ではあるけれど。
信長貴富とは相性が悪く、第3ステージ『廃墟から』はあまり集中できなかった。第4ステージ『二つの祈りの音楽』、宗左近とミサの言葉というのは自分には無理な取り合わせとしか思えず。
第5ステージ『交聲詩 海』。特に「Ⅲ」の部分が圧倒的。
上手い団体でも、正確で精密なのに退屈な演奏という場合もあるけれども、CANTUS ANIMAEは常に表現の意図や方向性が明確で、聴く側の気持ちを逸らさない演奏だった。